「私はね、『鳥の声』や『風の声』を聴ける身体になりたいと思うんです。日常がどんなに絶望的であっても、一瞬『生の音』が聴けることがあると、『ああこれで、今日一日を生きられる』と思うんです」
(企画会議中の会話より)
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「私はね、『鳥の声』や『風の声』を聴ける身体になりたいと思うんです。日常がどんなに絶望的であっても、ほんの一瞬でも、『それ』が聴ける瞬間があると、『ああこれで、今日一日を生きられる』と、そう思うんです」
「今、『ちゃんと声を出す』っていうことが、みんなできなくなっていると思うんです。『ちゃんと』っていうのは『体から声を出す』っていうことで―…。アナウンサーでも裏声のような出し方する人が増えてますけど、そもそも日常で入ってくる音がデジタルばかりで―…。みんな『生の音』を聞けてない。生の音は、『体に伝わる音』です。『体に伝わる音』っていうのは、理屈なしに『心地よい』と感じる音で―…」
「私はジャズシンガーとして、『本当の唄を学びたい』と思っていた昭和六十年頃にダン先生に出会って―…。その後『身体教育研究所』を立ち上げた先生が『気韻』の稽古を始められたときに、『これだ!』と思って、『気韻を基調にして、私は唄って行くんだ』と決めたんです。けれどそしたら、まともに歌えなくなってしまって…一度歌を辞めたんです。そこから私の研究が始まりました。『気韻で唄うには、どうしたらいいのか?』と。まず取り組んだのが―…」
「これだけ素晴らしい技法をね、知らない世代が多いというのはもったいないと思って―みんなに、この気韻の体験をとにかくして欲しいっていうか、素晴らしさをちょっとでもね、分かるようになれば世界が広がるって思うんです。気韻は他の稽古と全然違う世界が広がっていく可能性があるわけで―声だけじゃなく、例えば源氏物語とか和歌とか、音楽、自然と触れ合うこと―…だから気韻は、教える人によっても、その広がり方がね、多岐にわたっていくと思うんですよね。だからこそ、もう遅いかもしれないけれど、知らない世代にここで伝えておきたいって―」
「ほんの一瞬の幸せでいいんです。あっと言う間に終わる出来事の中に、生きていてよかったと思える感動があるから。『生の音を浴びる体験』をしていく中で、何気ない『きく』っていうことが、こんなに豊かな体験なんだって感じていけたら―…」
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