【覚張(かくはり)】
気韻の稽古は、他の稽古とは全然違う世界が広がっていく可能性があるわけで…。単純に「声の出し方」だけじゃなく、例えば源氏物語とか和歌とか、その音の響き自体の持っている力とか…
【山中】
源氏物語でいうと、具体的にはどういうことですか?
【覚張】
鎌倉稽古場では、ずっと「源氏物語」を原文で読むっていう読み合わせをね、みんなでやってたんです。
「読み合わせ」一つとっても、いろいろ稽古のやり方はあるんですけど。
まあでも、「源氏物語」っていうのはもうあらすじに読んだってどうにもしょうがないっていうか、あらすじっていうかね、現代語訳読んだって、しょうもないっていうか。
【山中】
いわゆる「男女の色恋モノ」というイメージですよね。
【覚張】
ほんとバカバカしい。私はね、なんでこんなバカバカしい話が歴史的に評価されてきて、名だたる文豪たちが翻訳に取り組んできたのか、ていうのが分からなかったんですよ。
で、「これはもう原文読むしかない!」と思って読み出したら、すごいことに気づいたんです。
単純にその「詩句の素晴らしさ」というのがまず伝わってくるんですけど、そんなものじゃない、【何かが立ちあがってくる】という体験がね、すごいんです。
みんなと読み合わせをするとね、なんかよくわからないけれど、 「なんかもう、みんなでこうして読み終わって……、よかったね…」みたいなね。
それは言葉にならないですよ。なんか、「はー…」みたいな感じで…。
誰も古典の読み方とか勉強してこないから、たどたどしくてもうめちゃくちゃなんですけど、それでも「元の文章」がちゃんとしてるから、読み終わったあとに何かの感覚が「わぁー」っと立ち上がるんですよね。
それを味わいたいがために、鎌倉の稽古会ではみんな集まってるみたいな感じです
※8/17は14名、8/18には8名参加予定です(8/11現在)


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